本州の袋小路
こんにちは、新入社員のYです!
皆さんは、好きな作家はいますか?
私は太宰治が好きです。有名ですよね。
太宰治は青森県の出身で、青森を舞台にしたお話も書いています。
それが「津軽」という小説です。
「津軽」は、太宰が己の生まれた津軽という土地を旅する紀行文のような小説です。
書かれていることすべてが事実というわけではなく、脚色された部分もあるので小説とされています。
太宰は、久しぶりに故郷・金木町(旧・金木村)に帰ることになり、そのついでに、津軽各地を見て回ることにして、懐かしい人々と再会していきます。
その中で、竜飛岬を尋ねるシーンがあります。
皆さんは、竜飛岬ってご存じですか?
青森県の左側の一番上、北海道と繋がる青函トンネルが地下を通っている場所です。
石川さゆりの「津軽海峡冬景色」の曲中でも歌われているので、名前くらいは聞いたことがある方も多いかもしれません。
こんな風に、石碑も建っています。
なんとこの石碑、真ん中のボタンを押すと大音量で「津軽海峡冬景色」が流れ始めるんです!
面白くて何度も押してしまいました。
晴れていればこの向こうに北海道が見えるはずですが、あいにくの天気で何も見えません。霧が濃くて海さえ見えない瞬間もありました。
そして竜飛岬には、日本唯一の車の通れない国道、階段国道があります。
その名のとおり、この階段が国道なんです!
その階段を下っていくと下には石碑が建っていました。
津軽の作中で、この竜飛岬の出てくるシーンが抜粋されています。
「鶏小屋」「袋小路」「路は全く尽きる」など、ちょっとひどい例えですよね。
でも「津軽」という小説は、太宰の地元への愛着がにじみ出ている小説だなと思っています。
青空文庫という、著作権の切れた小説を無料で読めるサイトでも読むことができるので、ぜひ読んでみてください!
私は「津軽」の最後の文章がとても好きなので、その文を借りてこの記事を締めたいと思います。
さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行かう。絶望するな。では、失敬。
太宰治「津軽」より